彼と私の問題点を考える
「いえ、少し寝不足なだけです。ありがとうございます。桐崎主任、それってこの間問い合わせがあった件の資料ですか?」


話を逸らすようにファイルへと視線を移すと桐崎主任は「ああ、これか」と持っていたファイルをめくる。


「そうなんだけど、あと一冊見つからないんだよな。まあこれだけでも何とかなりそうなんだけど」


「そしたら私探してきますよ。この間先輩と一緒に整理したのでわかるかもしれません」


「助かるけど平気?無理はするなよ」


「はい。今度また飲みに連れて行ってください」


「お前なぁ、あの日の終電ギリギリで嫁さんに怒られたんだからな。今度は早めの解散で頼むよ」


「もちろんです。次は三次会でお開きにしましょう」


「それは楽しみだな」


桐崎主任は既に結婚していて、お子さんまでいる。


だけど飲み会には必ず参加しては奥さんに懲りずに怒られている。


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