彼と私の問題点を考える
ネガティブな考えは更に憂鬱な考えばかり連想させて自然と気分も沈んでくる。


自分でさえ自分の誕生日を祝えない私がこうして待ち合わせをしてることすら場違いに感じる。


店内はオシャレな音楽と楽しそうな話し声で賑わっていて、その中を店員さんがせわしなく歩き回っていた。


さっき私を席まで案内してくれた青年の後ろ姿を眺めながら、残りのミルクティーを飲み干した。


「涼香、ミルクティー飲んでんの?」


ほぼ同時。


ストローから口を離した瞬間、頭上から聞き慣れた声が聞こえる。


辿るようにそこへ視線を向けると、私の飲み終わったグラスをみつめてから向かいの席に座る男としっかり目があった。


私より数分遅れて現れたところをみると、今まで外にいたらしい。


彼の家からじゃこんなに早くは着かないだろう。

 
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