私の初恋は人気者の君。




「あー!斗真こんなところにいた!!」



数分後。

別の個室にいた本田君が
桐谷くんを迎えに私達の個室を訪ねてきた




「あ、流星。ごめん、なんか
 ここ落ち着くから」



もう一つの個室とは違い
あまり騒いでる感じでもないこの個室は
桐谷くんにとって居心地がいいのかな。



「たしかに。ここ、なんか和むね」




選曲が優しい曲ばかりなのか
本田君はニコニコしながら
私の隣の空いた席に座った。



「あ、やっほ早見さん!
 早見さん何か歌ったー?」



「あ、いえ、まだ何も‥」


わわわ!本田君!せっかく歌う側に
ならないように盛り上げてたのに‥!



『あ、そうだ。早見さん
 まだ歌ってないね!
 じゃ!次、早見さんで!!』


え、ええええ?!
もう!本田君のばか!



「わ、私はだだだ大丈夫だよです」

人前で歌うなんて‥!!



『えええー』








「じゃあ俺と歌おうよ」






桐谷君がマイクを私に渡してきた。


え‥?桐谷君が‥?



「お、いいじゃん!そういや斗真も
 まだ歌ってなかったもんな」


「うん。早見さん何の曲にする?」



ひ、一人で歌うより緊張するよ‥



七海に目配せしたら七海は
頑張ってって口パクで応援してくれた。




まあ大丈夫だよね。

皆、桐谷君の歌声で私の声なんて
聞かないと思うし。



「あ、ごめん。俺がもう選曲  
 しちゃった‥」


本田くんがいたずらっぽく笑う。




え??!



桐谷くんが慌ててモニターを
確認する。







「ちょ、これアイドルの
 やつじゃん?!」

「ええええ?!」



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