私の初恋は人気者の君。
冷たい風が木枯らしを運ぶ。
体育館で私達は肩を並べた。
「あいつ、交通事故で彼女亡くしてるの」
交通事故…?
桐谷くんが自分を人殺しって言ってたのは
自分が彼女を轢いたから?
いや、それはないな。
だって車の免許、とれる歳じゃないもん
「斗真、その時横断歩道の反対側で彼女を
待ってて斗真が早く来いって急かした時
彼女が横断歩道渡ってる途中で車に
轢かれたんだ。」
それって…
桐谷くん人殺しじゃないじゃん。
「俺、赤信号で急かした斗真も悪いと
思うけど、あそこの道路はめったに
車通らないから俺も良く赤信号で
渡ってたんだ。だから斗真の彼女
ただ運が悪かっただけだと思う。
なのにあいつ、ずっとそれ自分のせい
って思ってて」
いろんな事が重なって亡くなった命。
しかも彼女さんの。
私でも自分のせいにしてしまうと思う。
だからってこのまま前にいけないのは…
「ありがと。本田君。全て話してくれて」
「うん。俺も誰にでも話す訳じゃないよ。
早見さんだから話したの。早見さんなら
あいつの事救ってくれるって。
だから救ってあげて?
俺には出来なかったけど早見さんなら
大丈夫な気がするから」
「うん、行ってくる」
私はまたすぐに走り出した。