蒼風
「あのさ華ちゃん。君が寝ている間に決まったことを教えるね。


まず、君は男として過ごしてもらう。


屯所は男しかいないから変に風紀を乱されてもこまるしねぇ。


それと極力おとなしく過ごしてて。


屯所を出ないでね?


だってまだ君が信用できる相手なのかわからないから。


かといって斬るのもねぇ。


無罪の人間は斬れないし。


まぁ、とにかく怪しい行動をしたらいつでも斬るからね?」


やっぱり信用されてないんだね。あたし。


そりゃそうか。


まぁ置いておいてくれるだけでもよかった。


『はい。わかりました。』


「へぇ。いい子だね。それから、名前はどうする?華ちゃんって女の子の名前だし。」


言われてみれば‥


『なんでもいいですよ。』


考えるの面倒だし。


「うーん。じゃぁ空丸ってのは?」


よかった。


沖田さんのことだから変な名前考えるかと思った。


『わかりました。空丸で。』


空丸って普通にかっこいいよね。


「あとそれから君は基本、僕の部屋で寝ることになるから。」


信用してないから見張りの意味もこめてだろうな。


『はい。よろしくお願いします。』


「一応、君は隊士扱いだから。表立っては公表しないけど。」


そうして、新選組に空丸が入隊した。
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