蒼風
はい、道場。


なんてない。


次、風呂。


はい、風呂。


備考なんもなし。


あれ?風呂から渡り廊下がある‥。


こっち行ったら平隊士の部屋でもあるのかな‥。


あんまり平隊士には会うなって言われてるけど‥。


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。


好奇心の勝ち。


行ってみよう。


こそこそ‥。


おおー!隊士がいっぱいいる。


みんななんか掃除とか雑用みたいなことしてるね。


あぁそうか新選組ってご飯とか風呂とか洗濯とか家事全般、自分達でしてるんだった。


あたしが全然関わってないから今更の気づきだけど‥。


まぁ女禁止だし‥自分達でするしかないよね。


大変だ。


そう思いぼうっと見てると‥。


「あれ?雪野さん?」


と声をかけられた。


えーっと誰だっけ?


いやあたしの名前知ってるってことは1番組か3番組か8番組の隊士なんだろうけどね。


覚えてません‥。


まぁ誤魔化しとこう。


『こんにちは。』


無難に挨拶を‥。


「こんにちはー。こっちに来るなんて珍しいですね。どうしたんですか?」


まぁ確かに珍しいどころか初めてだしね。


『よく考えたら僕、屯所の部屋とかちゃんとわかってなかったなぁと思って探検中です。』


「なるほど。でも雪野さんすごいですよね。入隊してすぐ幹部の方なんて。」


‥‥。


言えない。


疑われてるからなんて言えない。


女だもんなんて言えない。


『いやー、まぁ‥。』


どう誤魔化せばいいの?


自分!


「っていうか雪野さん僕の名前わかってないですよね?」


おうのー。


バレてましたか!?


「顔に誰だっけって書いてあります。」


沖田さんの言うとおりあたしはわかりやすいのだろうか‥。


「僕は山野凜太郎です。よろしくお願いしますね。」


自己紹介ありがとう!


『よろしくお願いします!』


山野さんはいい人そうだ。
< 24 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop