蒼風

「それで、どうして君は人間が嫌いなのかな？」


総司がいきなり本題に入る。


でも、さっきとは違って女の子に目線合わせてるし、実は子供好きなのかもしれない。


「あの‥。話しても僕のこと殺さない？」


緊張した様子で尋ねてくる。


『もちろん。殺したりはしないよ。安心して‥。』


すると意を決したように息を吸って話し出した。


「実は僕‥、人間じゃないんです。」


え‥。


人間じゃない。


「お父さんは人間なんですけど‥お母さんは白狐なんです。」


『白狐‥。』


「お、お願いだから殺さないでください。」


怯えている女の子。


「なんだそれだけ？もーびっくりしたー。実は薩摩間者です。とか言うのかと思ってたじゃん。」


すると明るく総司が話し出す。


「え。」


「だってねぇ。ここにいる華も先の世から飛んできたんだし、ここにはいろいろ秘密持ってる人ばっかりだし。白狐ってだけで殺すわけないし。」


笑顔で話しかける総司。


「うぅ‥。あ、ありがとうございます。」


「なんで泣くの。」


そういって女の子を抱きしめる総司。


戸惑って見ているだけのあたしとは違って総司は女の子を安心させてた。