蒼風
女の子が落ち着いた頃を見計らって総司がまた話しかける。


「それで‥。白狐なのはわかったけど、どうして人間が嫌いなの？」


「僕、はじめはお父さんとお母さんと3人で人に見つからないような山奥に住んでいたんです。


でも、新しい土地を求めて人がやってきて‥。


お母さんは白狐だから僕と違って耳としっぽがあるんです。


だから人に見つかった時、人はお母さんを化け物だと言って殺そうとしたんです。


それを守ろうとしたお父さんが僕らを逃がすために戦ったんですけど殺されてしまって‥。


お母さんまで殺されてしまって。


僕は見せ物になるからって捕まったんです。


でも、捕まっていれられてた所の扉が壊れてて運良く見張りもいなかったから逃げてきたんですけど‥


そんな時たまたまあの男たちに絡まれて、もう死んでもいいかなって思ってた時におねぇさんに助けてもらったんです。」


女の子は泣きながら話していた。


『うぅ‥。辛かったね。』


あたしまで悲しくなって泣きながら抱きしめた。


『辛かったでしょ。頑張ったね。泣いていいよ。』


そう言うと女の子は泣きじゃくった。


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