蒼風
というわけで甘味処。


「雪、遠慮せずに食べていいからね?あ、空丸は遠慮してね?」


なんでよー。いいじゃんかー。けち。


「ありがとう!じゃあね、雪は三色団子と餡蜜がいい。」


『僕もー。』


「空丸、遠慮しなよ。」


『僕の中じゃ遠慮した方だけど。』


いつもなら5種類ぐらい頼むし。


「僕は‥みたらし団子で。」


総司が1番少食じゃないか。


『総司、それだけで足りるの?』


総司も甘いものかなり好きなのに。


いつもならもっと食べる。


「どこかの誰かさんが遠慮してればね?」


『えええー。』


「じゃぁ雪の分けたげるー。」


『雪はいいんだよ。食べて。』


「おませたしましたー。」


あああ美味しそうー!


「『いただきまーす!』」


ああ美味しい‥さすがここのお団子は最高だわ。


この時代に来てよかったーって思えることの1つだよね。


「おいしい!」


雪かわいい。


「いただきます。」


やっぱりなんかおかしい。


総司なんだろ、違和感がある。


『そーおーじー。僕のお団子分けてあげるー。』


「え?珍しいね。空丸が自ら食べ物を差し出すなんて。」


『はい、あーん。』


なんだろ。すごく不安がある。


総司の様子が変。


「え?」


『ほれほれ。食べないの?』


「全く。よくここでそんな恥ずかしいこと出来るよね。まあいいけど。」


そういって差し出した団子を食べた。


『美味しいでしょ?』


「じゃ僕は雪にあげよう。はい、雪あーん。」


「むぐ。」


なんだろ、隠してるよね。


後で問い詰めてみよう。




なんだかんだで美味しく食べたけど、あたしは総司の様子が気にかかった。
< 99 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop