貴方は王子で私は子羊
タイトル未編集
憂鬱な気持ちでいつもと同じ時間同じ電車に乗り込む
この時間混むのよねぇ。
満員電車はもう大分慣れてきたし、私的に楽なスペースまで見つけた。ードア側優先席付近。
背中もたれれるし、停車すれば外の空気が吸える。乗り降りの多い駅だと少し不便なのは難点だけど、それ以上の価値がこの場所にはあると思ってる。
ー次の駅がまさにその乗り降りの多い駅だ。
私は少しだけ降り、降りる乗客がいなくなったのを見計らいまた同じ位置に着く。
ーん!?
なんだか今日は人が多い、、、
ドカドカと人が流れてくる。私は必死で踏ん張るが結果ドアが背に来る形に落ち着いた。
ぎゅうぎゅう詰めの車内でいつもなら独特な臭いを漂わせてる、はずなんだけど、今日は違う。
どちらかというと私好みの香り。
どんな人がこの香りを、、、?
若干変態ぽい考えで少しだけ周りを見渡すと、対面している1人の男性からだと気づく。
どんな顔してるのかな〜?
これも電車の楽しみの一つ、人間ウォッチングだ。
ってっえ!?
そんな、まさか!?
だって、マスクもしてない。
帽子を深く被っているこの人を誰が間違えるか。
私は咄嗟に指で指し、、、
「桜庭あきっ…んがっ!」
『っし…静かにしてよ、ね?』
ーコクコク
私は口を押さえられ頷くことしかできなかった
これが。トップアイドル桜庭あきと
との出会い出会った。