神さまのせいでタイムスリップ先が幕末の京になりました
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時は少し遡る。
天気も良くぽかぽかと暖かくなってきた散歩日和な京の街。
壬生浪士組(後の新撰組)幹部 原田左之助と永倉新八は今日の予定だった市中の巡察を終了させた。
そして隊士を解散させ、屯所へ帰るため二人で 近所の川が流れている土手を歩いてきながら 他愛もない話をしていたその時。
急に永倉は川を指さして言った。
「左之ー俺にゃああそこに人が流れているように見えるんだが」
「おー奇遇だな 新八。
俺にもそう見えるぜ…しかも女だ」
頭に手をかざしながら原田は永倉に応じる。
なぁ アレどうする?
こそこそと相談を始めた二人。
しかし二人は隊内でも屈指の女好き。
となれば結論はもう目に見えている。
数秒ほど話し合った結果 川を流れている女をそのまま見捨てることはできない と結論が出たようだ。
そうと決まれば自然 行動も早くなる。
「お~い生きてるか~?」
まず最初に原田が軽く女に声をかけた。
当然女からは何も返ってこない
───と思っていた。
しかしその言葉を皮切りに女は急に川の中で暴れはじめ…沈んでいった。
「お、おいお前大丈夫かよっ!?」
明らかに大丈夫じゃない女の手を咄嗟に掴んだ永倉。
急いで川の中から引きずり出す。
女を引きずりあげたはいいがこれからどうするか悩んだ。
しかし
「…取り敢えず屯所へもっていくか」
さすがに女をこのまま見捨てることはできない。
永倉は女を俵担ぎで屯所へ連れて行った。