口の悪い、彼は。
「あれだけ勉強していたら、何か聞かれたら答えられるくらいにはなっているだろう」
「……自信があるわけではないですけど、たぶん」
「下手なことを言わなければ問題ない。俺も会議が終わったらすぐに戻るようにするから」
「……わかりました。それまで失礼のないように頑張って繋ぎます」
「あぁ。任せた。お前なら大丈夫だ」
「……はい」
「いつもみたいにヘラヘラ笑っとけば何とかなる」
「!……ヘラヘラって酷いです」
「本当のことだろ」
もう。
部長の失礼な言い方につい頬を膨らませてしまったけど、それと同時に少しだけ不安が減った気がした。
きっとそう仕向けるように部長は言葉をかけてくれたんだろう。
それに……何の根拠もない“大丈夫”という言葉なのに、部長がそう言ってくれただけで本当に“大丈夫かもしれない”と思えたのだ。
私に対応を頼んでも大丈夫だと思ってくれた上で、部長は頼んできたんだよね?
それなら、私はそれにちゃんと応えるだけだ。
失礼のないように丁寧に対応をしよう。