口の悪い、彼は。
*
披露宴はほんわかした雰囲気の中、進行していく。
そんな中、進行の様子を窺いつつ、私は新婦側の人たちに挨拶回りをしていた。
本当は会社の人たちがいる新郎側にも行きたいけど、そうもいかない。
「嘘!小春ちゃん!?」
「お久しぶりです!美都(みと)さん」
「久しぶり~!やだーすっかり大人っぽくなっちゃって!」
「え、本当ですか?嬉しい!」
「見違えちゃったわよ~。ね、比奈子(ひなこ)もそう思わない?」
「うん。小春ちゃん、本当に綺麗になったね」
「比奈子さんにもそう言ってもらえるなんて、嬉しいです~」
このふたり、美都さんと比奈子さんはお姉ちゃんの会社と連携している家具のデザイン事務所の社長さんと社員さんだ。
洋風のオシャレなものから和風の少し変わったものまで、様々な家具のデザインを手掛けていて、お姉ちゃんのセンスともぴったり合うのだと言う。
ふたりはお姉ちゃんとは仕事以外でもウマが合うらしく、よくご飯に行ったりして会っていて、私も大学生の頃だけど何度かその仲間に入れてもらったことがあった。
お姉ちゃんよりも年上らしいふたりは、私のことを妹のようにかわいがってくれているんだ。
5年ぶりくらいに会ったけど、ふたりは昔とほとんど変わっていなかった。
もちろん大人の女の魅力はあの頃以上だ。