口の悪い、彼は。
幸せいっぱいだったあの日、千尋が元カノと再会していたなんて……。
千尋はあの日の夜、どんな気持ちで私と過ごしたの……?
「小春ちゃん?」
「……あ、は、はい」
「あの比奈子が千尋の相手だったら頷ける気もしない?比奈子、心広いし何でも包み込んでくれるもの。千尋もきっと比奈子のそういうところに惚れてたんだと思うし、大切にしてたんだと思うの。なのに、千尋ってば何であんないい子を手放しちゃったんだろうって、ずっと疑問に思ってるのよね~。ほんと信じられない」
「……そう、なんですね」
「そうなのよー。結婚式終わった帰りに比奈子を突っついてみたけど、比奈子はよりを戻したいっていう気はなさそうだったけどね。でも、何が起こるかわからないのが恋愛じゃない?もしかしたら、千尋からアクション起こしちゃう、っていう可能性もあるわけだし」
いつの間にかサラダを食べ終わったらしい美都さんは小皿にサラダをよそい始める。
その手元を私はぼんやりと見ていた。
ダメだ。
話がリアルすぎて、泣きそうだ。
比奈子さんと比べたら、私なんて足元にも及ばない。