口の悪い、彼は。
 

「血の繋がりには勝てねぇんだな……悔しい」

「大丈夫。俊(とし)くんの愛情は小春にも伝わってるよ」

「~~っ、知夏ー!」

「ひゃ……っ」


知夏の慰めの言葉に感動してガバッと知夏に抱きつくと、知夏がかわいい声を出した。

顔が見たくなって身体を離すと、そこには戸惑った様子の知夏がいる。

……普段は見せない表情。

俺の気持ちがぐっと上昇する。

くぅ~っ、たまんねぇ!


「知夏、超好き!愛してる!」

「……っ」


真正面からの俺の愛の告白に、知夏の頬がピンクに染まる。

いつもポーカーフェイスな知夏だけど、たまに見せてくれる表情に俺はいつもやられる。

そして、この最高にかわいい表情を見ることができるのは俺だけの特権。

一生、誰にも見せてやんねぇ。


「な、知夏。チューしていい?」

「!……うん」

「やった」


上目遣いで俺のことを見てきた知夏の手を握ると、知夏の身体がピクッと小さく跳ねる。

付き合い始めて3年以上経つし、結婚だってしたけど、知夏のこういう純粋で恥ずかしがりやなところは変わらない。

……かわいすぎて、俺にはもったいないくらいだ。

俺はそっと、知夏の唇にキスをした。

 
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