口の悪い、彼は。
3.ツンツンリーマンの信頼。
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窓の外には、街路樹にキラキラと太陽の光が当たって、青々とした葉が風に揺れているのが見える。
穏やかな午後、私は一人オフィスにいた。
今日は午前中から営業の人たちはみんな外に出ていて、昼前に一人だけ戻ってきたけど、またすぐに出て行ってしまって今は私一人だ。
ひと月の中盤ということもあって仕事はあまり立て込んでおらず、私は午前中に昨日の分の伝票入力作業や問い合わせ対応などを終わらせ、午後に入ってからは昔の資料の片付け作業を行っていた。
1年半前に営業事務の先輩だった岡野さんも辞めてしまったし、会社は年々大きくなっていっていて時期によっては残業が続くこともあるから、営業事務を増やすか、作業の分担をしてほしいな、と思うこともあるけど、こうやってのんびりできる日もたまにあるから、なかなか難しいところだと思う。
「よいしょっと」と言いながら、私は資料に手を伸ばし、手に取る。
「んーこの辺の資料もこんなに上に置かれてるし、きっともう使わないよね」
今はこの前ゴキブリ事件があった場所にある棚の上の方に入っている資料を整理するために、私は踏み台に立ってパラパラとファイルをめくり、資料の日付や内容を確認していた。
この資料の日付は10年前。
きっとすぐに必要になるようなものではないはずだ。
「よし。片付けリストに入れておこう」
確認した資料は都度、タブレットを使って現在置かれている場所とともにリストアップしていく。
前々から棚の整理をしたいと思っていて、一人で仕事をすることにも慣れてきた今年に入ってから暇がある時にはこの作業をしているんだけど、最近ではなかなか手馴れてきたものだ。