The Fool−修正版−

「なにがなんだかさっぱりだな」


自分の知っている空間が後ろから歩いてくるとホッとした姿知祈である。


「そうだな………あれ?幕内は?」


「お前………あれ見てなんとも思わないとは……」


空間に冷たくみられたが、本人は何で冷ややかに見られたのかわかっていない。


「ほら、あそこ。電柱の裏」


空間が指が指す電柱の裏に隠れている幕内を発見。


「ほら、隠れてないででてこい」


姿知祈が手を伸ばすが、


「………うわぁ!!」


と飛び離れてしまった。


「あ〜あ〜、お前はいいから偽物みてろ」


空間に追いやられてしまった姿知祈。


仕方なく偽物三人をみると………


「…………………」


立ち止まっていた。


「やぁ、誰でもない俺」


『姿知祈』が姿知祈に話しかける。


「限界に来てもあなた達に居場所はないよ。早く幻界に帰りなよ」


じゃないと………


姿知祈はゾクリと悪寒が背中に走り、その先を聞くのが恐ろしかった。


だから、


「………わかった……」


と、言ってしまった。


「はは、べつに今でもいいんだけどね…俺は。君が強くなってからの方が面白いからね」


………なにがだよ……


そう言おうとしたが『姿知祈』の、姿知祈達からすれば偽物の三人の姿はもうなかった。