The Fool−修正版−
「はじめにルール教えるで。まず、あんさん達は召喚武器無しや。能力は使ってよろし。つまりは殆どが肉弾戦っちゅうわけや」


アバは中国服の袖に両腕をすっぽり隠し、ステップを刻む。


「わては武器ありや、んでもって全員でかかって来る事。じゃないと、怪我だけでは済まされへんで~」


「お前ら、気をつけろよ」


ガリが注意する。そんなことはわかっていると少年達が身構える。


「わかってますよ。能力が何かもわからないんですから」


「いや、アバは何も能力を持っていない」


「…え?じゃあ……」


「能力を持っていないからといって侮るな。奴の恐さは扱える武器の多さにある」


何も持ってなさそうだなとバラは思った。


「じゃあ、仕込み……!」


「え?仕込みってナンデスカ?」


「もしくは、隠しかな?」


「だからそれらはナンデスカ?」


ちんぷんかんぷんなバラを無視するバルト達。


「散らばって攻撃だな。皆」


おう!、と彼等はがアバを囲むように散らばった。


「うー……ん取り残されてるね……」


頭を捻るバラに


「………バラ、お前は戦わなくて良いから」


ガリが呆れた表情で呟いた。
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