The Fool−修正版−
「困りましたわー……」


アバは炎帝ホムラの火炎を避けつつ何とか反撃に出ようとするが武器が届く前に溶けてしまう。


「仕方あらへん。ほんならわても」


クイクイっと炎帝ホムラを挑発する。


「召喚しまっせー!!」


ホムラが炎弾を放つ。


アバはまたもや軽く避けながら、口だけは動かした。


「今から対峙するは昔々、行き違えた自分」


バラは少し、気になることがあった。


「ガリさん……召喚って誰でも出来るのかい?」


ガリさんはいや、と首を振る。


「普通は出来ないな。召喚しても気に入らなければ召喚されたものは牙をむく。勝たなければ従わない奴もいる」


が、そうならない奴等が二種類いる。とガリさんは言う。


「従者と物だ。従者は否応なく従わされる。物もだ。マハちゃんの召喚は前者、んでもってこれから召喚するアバは後者になる。ちなみに、俺は全部屈服した、もしくは餌付けしたんだ。普通は召喚できるのは大体一人に一つ。現にアバはこれ以外は召喚できない。俺は奇異なんだ」



「昔あの時あの場所で鏡見てはそう思う、汝に似し、非なる物を写す物よ。我が名の下に!!」


ブン……とアバの目の前に魔法陣が出てくる。

           
「出てきなはれ!!『別次元を映す鏡』!!」
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