The Fool−修正版−
「そういえば報酬だが」


次の日、バルト達が目を覚ました夕暮れ時に館の主、ルークに呼ばれた。


「貴方達が倒した盗賊達、あれは最近活動が活発だったのでな。倒してくれた礼として少し上乗せさせた」


しゃあ!とガッツポーズを取るバルト。


きちんと報酬を貰い、みんなが帰り支度を始めた。


「あの………メル嬢は?」


「ん?部屋にいる……………お前がバラか?」


「…?はい」


「あまり悪いこと吹き込まないでよぅ!」


いきなりルークの口調が変わり変にもじもじしだした。


「メルには純粋に育って欲しかったのに〜」


じだんだを踏みながらバラを睨み付ける。


「お転婆になったらどうするんだよぅ。探すの面倒臭いしさぁ」


「……うぅ」


バラはしどろもどろになる。


「ガリさん、あんたんとこの家系ってこんなんばっか?」


エレボスが呆れた表情で言うとガリは笑いながら頷いた。


「あ、そうだ。ガリ兄」


ルークが真面目な顔に戻った。


「氷熱ブラザーズを見たんだが」


「タリザリ兄妹だと?」


ガリの表情も険しいものに変わる。


「酷くやつれていたが」


「………………そうか」


南の花畑だとルークは言った。ガリはゆっくりと出て行った。


FOOLの少年達もピアイス邸を出て行った。
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