The Fool−修正版−

（バルト……身体の自由を返せ………）


―いいのか？戻した瞬間死ぬぞ―


（それは嫌だ）


―なら、黙って見とけ。時空の王の猛襲だ。余り見られぬものだぞ―


（時空の王………？）


―そうだ、その昔…といっても…およそ２５０年前の話、ある異次元に最強の男がいた。その男は時空を操り、全ての武器を時空に収めた英雄王と呼ばれる男が―


（だが、マルスさんは…）


―ここと時間軸が違うから奴は１８歳なのだ。奴は……英雄王と拳王と呼ばれる女の間に生まれた子供だ。だから、今のお前では倒せんよ。片膝付かせるどころか奴に触れる事も出来ない―


（じゃあ、お前も無理じゃないのか？）


―……黙って見とけ―


バルトは少し間を置くと、俺の口で言葉を発する。


「汝は、我と同じなり―――」