The Fool−修正版−
「汝は、我なり―――」


「―――我は、汝なり」


マルスの声が響く。


「……鬼の手」


背中に悪寒が走る。
その悪寒は死を意味する相応しいぐらい、強い。


(バルト!後ろ……!)


「鬼の手返し」


殺気と威圧感をいまだ放っしている後ろのそれは動かない。


「……な……!」


また、どこからともなくマルスさんの声が聞こえてきた。


「汝の全てが全て、我の一部なり――」


両耳の近くでバチバチと何かが弾ける音がする。


「――マだ、完成してナいノダガ………まぁ、イいだろウ」


自分の腕が前に出て視界に入る。


その腕は姿知祈の腕ではなかった。


青白い閃光を纏ったマルスの腕になっていた。


バルトは俺の声とマルスさんの声が混ざり合った声で喋りだす。


「デは………なにものデモナれる者の本気…見せてヤロう」
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