The Fool−修正版−
時空孔を抜けた先は元居た草原だった。


そこには氷で出来た牢屋に入れられ、体育座りしている子供がいた。


「………よう、調子はどうだィ?」


ヒューゴが声を掛ける。


「……ナンノヨウダイ」


それは子供の声ではなく、老人のようにしわがれた声だった。


「セッカク…アトスコシデ…ヤワラカナニクニアリツケルハズダッタノニ……ジャマヲシ、アゲク、コノヨウナツメタイロウヤニイレテ」


…こいつは初めから騙そうとしてたのか。


姿知己は憤りを感じた。


「ふーんだィ。弟子を喰わせたら金貰えねぇんだよィ」


「ナラバ、キサマラモクッテヤル」


その言葉にヒューゴは笑う。


「出来るか?お前何ぞに?可愛いらしいくらい醜いグ・レ・ム・リ・ン」


子供の姿をしたバケモノ、グレムリンは体を大きく揺らす。


「ホザイタナコゾウ!!キサマラゼンインワガライゲキニテモエカスにシテクレルワ!!!!」


グレムリンの体が変わって行く。


叫びとも悲鳴ともわからぬ声とともに。


醜く不格好な肉片に。
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