The Fool−修正版−
「どうやら、早くも力が目覚めたみたいだな」


男が頭を掻きながら三人のところに歩いてくる。


フードが外れ、顔があらわになった。


「自己紹介がまだだったな。俺は箱金弥勒(はこがね みろく)。またの名を輝くバハムートのミロクだ。片仮名でミロクと呼んでくれ」


キラーン、と頭が光る。


え、ちょ、それ、他の人からの嫌がらせのようなもんじゃあないのか?などと言えるはずもなく、ただ、ミロクの頭が光るのを見ているしか出来なかった姿知祈と空間、幕内であった。


「ちなみに、バハムートってーのはな、某ゲームみたいな龍の姿じゃあない。本当はでっかい魚の姿の悪魔なんだ。わかったか。決して光線みたいなブレスは吐かない。俺の能力はあらゆる物体を水のように通り抜けたりできる『魚泳』という能力だ」


そして、ほーれほーれと何度も地面から出たり入ったりする。


「たしか、俺は、シルフィード。風の精霊、らしい。」


「ほう、『四大精霊』の力か、頑張れば強くなるぞ」


「私、マハ。最強の武神……らしいんだけど」


「おお、血と殺戮と破壊の女神マハか……恐い恐い」


「俺は……バルドアンデルス。なにもの………」


「…!………なにものでもない……なにか……か」


他の二人には賛美したのに対し、ミロクは俺の悪魔の名を聞いた途端、驚く。


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