The Fool−修正版−
「うわぁ……すげぇ……」


「どうだ?中々素敵な町だろう?」


どちらかといえば昭和よりな雰囲気をかもし出すハミスタは『限界』に確かに近かった。


違うといえば中央にある西洋の城が建っている事だけ。


「あそこがアンラ・マンユが住むお城さ」


ほら、行くぞ。とガリが促した。


先頭行くガリは何故か嬉しがっているようだ。


「おかしい……ガリにぃが嬉しがっていくなんて」


マルスがぼそりと零す。


「ん~♪なんだ、マルス」


「い、いや!何でもないよ!」


「ガリが嬉しがる事………ま…さ…か…」


(女か!!!!!!!)


『王国』の人たち(ガリ以外)が絶句する。


思考がわかりやすいな。ガリ。と思う六人。


「アンちゃん。久しぶりだな~♪どんな風になってるんだろう♪くかか、たんのしみ~♪」


(体がか???!!!)


分かり易いなぁ………あの人達。そう思う六人。


思考が丸分かりである。


反応見れば考えていることが分かる。


「…………くす………」


それは笑うことなど少ない神擬が笑うほど。


「神擬、君も笑うんだね。僕は初めてみたよ」


弟薔も驚く。


「……私だって……笑う……それに……」


「…いつも……あんな風だと思うと………楽しく見える……笑いながら…戦うなんて……とても……見えない」


確かに、あれを見ればとてもそうは見えないほど、彼等は和やかだった。
< 72 / 143 >

この作品をシェア

pagetop