The Fool−修正版−
「この世界はな、悪魔、魔王、天使、神、怨霊が巣くう世界だ。そして、この世界はお前達の世界と重なっている。」


「つまり、この、廃墟の街は元居た世界の今さっきまで居た商店街というわけか?」


「そうだ、シルフィードの。あちらの世界の人はこちらを見えない。こちらの世界でも同じ事だ」


「んじゃ、目に見えないだけであっちの世界ではここらへんを人がわんさか歩いてるの?」


「そうだ」


「………でも………あっちとかこっちとかじゃ分からなくならない……かな」


「ふうむ……名前はあるぞ。こちらの世界の事を『幻界』。あちらの世界の事を『限界』と呼ぶ」


「変な名前だねぇ。もっと美しい………」


「バラ。お前が話すとややこしい」


「ちょ、神唄、やめ…ギャァァァ」


神擬はヘッドロックをかけて弟薔を黙らせた。


「その、限界には行けるのか?」


「行けるが、バルドアンデルスの………後悔することになるぞ?」


「?…なんでだよ。いなくなったら親とかがうるさいだろ?」


幕内以外の三人は頷く。


「……なら、絶望してくるがいいだろう。皆がな」
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