The Fool−修正版−
「僕の名前を知ると虐められる方は無感情、虐める方は嘲笑う」


だから彼に友などいなかった


ある日、彼はそこから逃げようとした


でも逃げられなかった


不良の仲間が行く手を阻む


『逃げんのかよ』


『正義の味方気取りが』


『かっこわりぃ』


彼は虐められている奴を見る。


お前が悪いと虐めている奴は言った。


あんな馬鹿と一緒に居るからやられるんだと。


虐められてる奴は僕に言った


『嘘吐き』


また、友達が減った


いや、そもそもいたのかあやしい。


元から彼を信じていない。


悔しかった。


怒りが込み上げた。


イラついた。


だから彼は嘆いた。


怒りが、悔やみが、嘆きが、悲しみが


自分の力に影響すればどれほど良いだろうと


怒りが、悔やみが、嘆きが、悲しみで


こいつらを倒せればどれだけ良いだろうと


でも、そんなのは出来っこないと分かっていた。


「そう、考えていた時だった」
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