The Fool−修正版−
「女の子が一人、目の前に、来たんだ」


「女の人ですか?」


「そう、僕と同じ年の女の子」


彼女は不良を睨むとこう言った


『消えろ』


異様な威圧感に不良たちは一目散に逃げていった


『……』


彼女は今度は彼を睨む


そして手を引っ張った。


『……真っ赤に散ったバラ……』


『………今は蒼く散っている……ね……』


彼女は彼のことを知って助けたらしかった。


『私は………目付き………悪いでしょ…』


「その時、気付いた。彼女は周囲の人達に『鷹の眼』と恐れられている娘だということを」


気付いた時は足が震えていた。


『立てない……の?』


彼女は肩を貸した


本当は優しい娘なのだと彼は察した。


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