私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中
忘れ物。

「も、離してっ……」


『聞こえない。』


「や、だっ……」


この男、もとい隼からの執拗な攻撃に
耐えられず、床にへたり込んだ私。

そんな私を見て“こいつ”が
満足そうに微笑むものだから
本気で殴ってやろうかと思った。


『あー、可愛い。』


……悪魔だ。


「うるさい。」


彼を睨みつけながら
そう言ってやった。


『ほら、立って。』


そんな言葉など全く気にせずに
隼は私に手を差し出してくる。


「…うそ、立てない。」


隼の手を掴んで、立ち上がろうと
したのはいいものの
足腰に全く力が入らないのだ。


『腰ぬけちゃった?』



クスクス、とあまりにも楽しそうに
笑うものだから、


「…ムカつく。」


隼の手を払いのけてやった。

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