私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中


ーーーーーーPM5:15《夏織side》


プルルルルル!


けたましく鳴る着信音に、フライパンの火を止めて電話に出た。


「はい、もしも


《瀬野さんのお宅ですよね。》


私の言葉を遮ったのは、若い女の子らしい可愛い声。


「そう、ですけど。」


《今日、瀬野さんと2人でご飯
食べにいく約束してるんですよねー》


「あぁ、そうなんですか。」


《……っ。その後 私の部屋に誘う
つもりなので!結婚してないんだから
奥さんぶって瀬野さんに電話とか
しないでくださいよねっ、》


プツッ。

一方的に切られた電話。


「……もうっ、何でまだ震えるのよ」


“結婚”という言葉に、
今でも怯える自分を笑った。



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