私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中


思い出したくもない光景がまた脳裏に蘇ってくる。

震えが止まらなくて怖くて、私は無意識に“隼”に電話をかけていた。



《夏織、どうしたの?》


「ど、うしよ、隼……」


《落ち着いて、深呼吸して。》


言う通りに、深呼吸をすると気持ちが少しだけ楽になった。


《今、家にいる?》


「う、ん、」


《すぐ帰るから、待ってられる?》


子供をなだめるみたいな優しい声に、震えが少しずつ小さくなっていく。


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