私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中


ーーーーPM6:52


ガチャリ。
彼の帰宅を知らせる聞きなれた音にゆるりと顔をあげる。


慌ただしくこちらに向かってくる足音。


『かお、りっ……』


「…しゅん。」


『……っ!』


一瞬、ひどく傷ついたような顔をみせた隼は、床に座り込む私の手を痛いくらい強く握った。


『手、震えてるから焦った……』


あぁ、だから傷ついた顔。


「…心配かけてごめんなさい。」


『夏織になら、いくら心配
かけられても平気だって。』


「……うん。」


やっとおさまった手の震えに、ほっと胸を撫で下ろす。

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