私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中


『沙織さんから、電話でもきた?』


「……っ!」


『ね、夏織。』


いや、聞きたくない。


『俺は“先生”じゃないよ。』


ふ、と寂しそうに笑う隼に罪悪感が胸の底からこみ上げてきた。

私が好きだった“先生”は、
他の女の子のことも愛してた。

私の好きな“隼”は、


『俺は、他の女になんて興味ない。』


「う、ん。ごめんっ…」


どうして、先生と隼を重ねてしまったんだろう。


『ほら、泣かないの。』


その綺麗な指が、わたしの涙をぬぐう。

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