私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中


ーーーーPM6:50


「ちょっと隼!どうしたの?」


帰ってくるなり、いきなり私のことを
抱きしめた隼にそう聞けば、


『……会いたかった。』


なんて、今にも壊れそうなくらい
不安そうな声が返ってきた。

抱きしめられているから顔は
見えないけれど。


(きっとまた、困ったように
笑ってるんだろうな。)


隼は、何かあった時
困ったように笑うのだ。

なるべく私を不安にさせないために。


「私はここにいるよ、ちゃんと。」


『うん。』


「…何かあったの?」


『何でもないよ、大丈夫。』


嘘。



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