私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中


ーーーーPM11:51


隼から“その話”を聞いた時、意外にも私の頭は冷静にその話を飲み込んで。

だけど、”それ”は外が暗くなるにつれて
じわじわと身体を侵食していくように、
確実に私を追い詰めてくるのだ。


『俺が仕事に行ってる間は、
冬子さんが家に居てくれるから
安心して、夏織。』


「心配しすぎだってば。」


『うん。でも心配だからさ。
本当は仕事休みたいんだけどね、』


「駄目だよ、それは。」


『はーい』


数日振りに普通の会話をした私達は、
顔を見つめあって少し笑った。

幸せは、いつも日常にあるものだ。


『じゃあ、
せめて早く帰れるようにするから。』


「うん。」


過去になんて負けてられない。

そう強く自分に言い聞かせたーー。




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