私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中

「しゅん。」


全然、起きないんですけど。


(あぁ、もう。
これじゃ、ご飯作れないってば。)


「しゅん、起きて。」


『……やだ。』


起きてるんじゃない、と呆れながらも
隼を無理矢理どかすことができない私は
相当この男に毒されているみたいだ。


『…夏織、あったかい。』


そう言って私の脚に、自分の脚を絡めてぎゅ、と抱きついてくる。


「仕事、いいの?」


『……あーー。』


心底鬱陶しそうに眉をひそめて小さな声で、“休む”なんて言い出すから
“馬鹿”と叱ってあげた。


『ね、』


「なに?」


『一緒に仕事場来てよ。』


こんな近すぎる距離で、
そんな狡い声で、狡い笑みで、
私を見ないでほしい。

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