私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中
ーーーーPM9:38《隼side》
『ただいまー。』
いつもの“おかえり”が聞こえない事に不安になった俺は、靴を脱ぎ捨ててリビングへ歩いた。
『夏織ー?』
リビングにも、洗面所にも、寝室にも
ーー夏織がいない。
《おかけになった電話番号はーー》
携帯も繋がらないとなると、不安は増すばかりで。
《もしもーし、どうした?》
『兄貴…、夏織がいなくなった。』
気持ちを抑えるために、
兄貴に電話をかけた。
《っ!今から冬子と、そっち行くから待ってろ》
『…………あ、』
俺の視線は、机の上へ。
《隼!お前がしっかりしないで
どうすんだよ!》
兄貴の声が遠くなる。