私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中
『やっぱり、何でもない。』
繋がれていた手が離されて、私の右手はぶらりと身体の横に垂れさがる。
ーーーーなんか、変だ。
「途中でやめないで、」
ーーどうしようもなく不安になるから。
『ごめん夏織。ちょっと待ってて、』
そう言ってリビングの机の上に、ケーキを置くと真っ直ぐこちらに戻ってきて。
「え、ちょっと何……っ」
『ちょっとキザなことでも、しようかと思って。』
似合わない?なんて、クスリと笑いながら王子様よろしく私の前に跪く隼。