私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中

『しょうがないな。』


わざとらしくため息をついた隼は、私の身体を、ひょいっと抱き上げてしまった。

そう、これは世間一般で言う“お姫様抱っこ”である。

抱き上げられたまま、どこに連れていかれるのかと思えば、ソファーに乱雑に落とされて。


「私、物じゃないんだけどっ」


『はは、ごめんごめん。
いやー、でもまさか』


少しの間を開けて、


『夏織が、腰をぬかすとはね。』


改めて言われると、顔が熱くなってきた。
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