私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中


「っ、……だめ、」


隼の胸板を押して抵抗の意思を見せれば、


『……なに、どうしたの?』


キスを止めて、不機嫌そうに眉根を寄せた隼がこちらを見る。


「さ、酸欠になりそうだったから」


『本当は?』


「っ、変になっちゃいそうだったから」


威圧的なその目に促されるように、私の口から本音が流れ出した。


『ん、良い子。』


本音を聞けて満足したらしい隼に、


『変になりそうじゃなくて
変になってよ、夏織。』


薬のような甘い言葉を囁かれて。


また甘いキスが降り注がれたのは、
言うまでもない。


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