私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中


ーーブーブーブーッ


その沈黙を破ったのは、お兄さんの携帯の着信音。


「電話してくんの早すぎー。」


誰からの電話なのか分からないけれど、


(嫌な予感がするのは何故なのか……)


「ん?……いやいや俺は悪くねぇだろ。
日曜日に可愛い奥さんを放ったらかして仕事に行くお前が悪い。」


日曜日、仕事、奥さん……。


(まさか、!)


「はいはい分かったって。夏織ちゃんに代わってやるから。」


ん、と私の手に握らされた携帯を耳に当てれば。


《もしもし、夏織?》


聞きなれたその声が耳に入ってくる。

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