私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中
ーーーーーPM11:50
『……おり。』
「…あ、」
自分の名前が耳元で呼ばれて瞼を開ければ、目の前にスーツ姿の隼がいて。
ああ、そうだ。
電話が終わってお兄さんも帰った後、
少し休もうと思ってて…
(そのまま寝ちゃったんだ…)
『すぐに帰れなくてごめんね。』
ふわり、とその手が私の頭を撫でる。
心地良いその感覚に閉じそうになる瞼を必死で開けて隼の目を見れば、
『ん?』
なんていつも通りの声と微笑みがかえってきた。