私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中
『隠さないで、夏織。』
「見、ないでってば」
『夏織、お願いこっち見て。』
切羽詰まったように懇願する声に、手のひらをどければ。
『俺に何してほしい?』
眉根を寄せて、真っ直ぐに私を見る隼がいて。
「何もしてほしくな、いっ。
今は放っておいて、お願い……」
ああ、これじゃあまるで。
自分の好きな様にいかなくて、部屋の隅っこで拗ねてる五歳の女の子みたいじゃない。