私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中
《卒業したらさ、結婚しよう》
ふいにテレビから聞こえてきた声に、
びくり、と肩を震わす。
落ち着け、落ち着いて。
これは、あの人の声じゃないでしょ?
何も怯えることなんか……っ
“卒業したら、結婚しよう”
あぁ、駄目だ。
「……っ。」
私の肩の震えに気づいたらしい隼は、
何も言わずに抱きしめる力をきゅっ、と強めた。
ーー大丈夫。って言うみたいに。
『夏織、』
「な、に。」
『寝よ。今日は疲れたでしょ?
夏織が寝るまで起きててあげるから。』
隼の顔は、見えないけどきっといつもみたいにひどく優しい笑みを浮かべてるんだろう。