私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中

ーーーーーー


「……寝ちゃったんだ。」


重い瞼を開ければ、そこには真っ暗な世界が広がっていた。


(また、だ。)


私が泣きはじめると、隼は必ず手を握ってくれて。
その心地良さに、いつの間にか眠りについてしまうのだ。


「ねぇ、」


『んー……』


「頭、邪魔なんだけど。」


私のお腹辺りに、頭をのせて
眠っている隼にそう声をかけてみるけれど、


「反応なしか。」


どかす訳にもいかないけれど、さすがにこの状態は恥ずかしいしくすぐったい。

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