私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中
ーーーーーーAM7:50
翌朝、目を冷ますと自分で入った記憶のない布団の中に入っていた。
7時50分を指す針が、今日が休日であることを教えてくれる。
「……隼。」
相変わらず綺麗な寝顔を見ていると、
昨日のことを思い出して心が鉛の様に重くなった。
(触れたい。)
心が不安定になると、誰かに触れたくなるのはなんでなんだろう。
私は、恐る恐る隼の腰に腕を回して
その胸板に顔をうずめた。
『夏織、どうしたの。』
いつもと違う雰囲気を感じ取ったらしい隼は、不安げな声を出す。
「……したい。」
『ん?』
「抱いて、隼。」
『夏織、』
隼は、一呼吸間を置いて
『それ狡い。』
私の耳元でそう囁いた。