私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中
ーーAM7:30
「真北さんも、お兄さんも
シャワー浴びていきますか?」
お風呂からあがってきた私は、いまだにリビングで、ぼーっとしている二人にそう問いかけた。
「じゃ、お言葉に甘えて。
翔平くんも一緒に行くぞー。」
「ふぁーい。」
連れ便ならぬ、連れ湯である。
「あ、そういえば隼見ませんでした?」
「なんか頭冷やしてくるとか言って
出てったよーん。」
「……頭冷やす?
あ、お風呂ゆっくりどうぞ!」
お風呂場に向かう二人の背中が見えなくなると同時に、私は隼に電話をかけた。
……プルルルルル
「もしもし。」
《兄貴たちが帰るまで、外で
時間潰してるから気にしないでね》
「……なんで帰ってこないの?」
《……色々と駄目だから》
切羽詰まったような隼の声音に、とりあえず“分かった”と返事をして通話終了ボタンを押す。
“別にお風呂のこと怒ってないよ”
隼に、そうメールを送信してから
洗い物を済ませようと
台所のシンクを見る、と。