私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中
「やっ……だ」
顔が見えないままで、早急に進んでいく行為に怖くなった私は、隼が着ているニットをきゅ、と握りしめる。
『夏織、こわい?』
「う、ん」
『ん。』
隼の手が、私の頭を撫でる感覚にほっと胸を撫で下ろす。
『顔見たらめちゃくちゃにしちゃいそうだったから、顔見れなかった。』
胸から離れた私は、そう言って困ったように眉毛を下げる隼を見上げた。
『どうしてこんな格好してたの?』
「……喜ぶかとおもっ、て」
『(夏織が思ってる“喜ぶ”の意味とは
違う、なんて言えないよなー)』
「なにその顔。」
『んー、なんでも無い。』
何で隼が嬉しそうに笑うのか
分からない私は小首を傾げる。