私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中
ーーーーPM7:25
ガチャリ。
ドアの開く音に、肩をびくりと
跳ね上がらせてキッチンから顔を出す。
「……お帰りなさい。」
『ただいまーって、何でそんなに
不機嫌な顔してるの?』
不機嫌な訳ではない。
ただ自分で言った事に、緊張して顔が固まってしまっているだけなのだ。
ネクタイを緩めながら、キッチンに歩いてきた隼の目を見れずに視線を下に逃がしていると。
『夏織さん?』
綺麗な顔が、私を覗き込んできた。
「な、何?」
『いただいちゃっていいですか?』
ニヤリ、と口元に弧を描いた隼は、
私の返事も聞かずに首筋にキスを落とす。
「やっ、ぱり無理っ」
キッチンでするなんて、
どこの大人のビデオよっ。
『えー。』
「……さ、きにご飯をどうぞ」
『晩御飯は、夏織じゃなかったっけ?』
「あれは、ちょっと勢いで……」
『ね、夏織。』
その声に、顔をあげればふわりと微笑む隼がいて。