鰯雲
電話
元旦の0時0分
繋がらなくて当たり前の電話
つながるなんて奇跡
3年もずっと
当たり前のように思っていた
「また、元旦の0時きっかりに電話で話そうね」
そんな約束ごとを
当たり前のように信じていた
初めて
つながらなかった電話
2人の距離
ただメールだけ
ただ年に1度の電話だけ
薄いつながり
丘を巻く坂道
2人眺めた夜景の美しさ
夢、幻だったのかもしれない
孤独の隙間に
入り込んだ幻
鰯雲の空を見上げた日から
夢を見ているのかもしれない
規則正しく
並ぶメールの文字と間隔
味気なく短いメール
時が経てば
あとかたなく消えていく
鰯雲に似ている
ふと、思った
雪混じりの雨の道
歩きながら
応答のない電話
握りしめた
繋がらなくて当たり前の電話
つながるなんて奇跡
3年もずっと
当たり前のように思っていた
「また、元旦の0時きっかりに電話で話そうね」
そんな約束ごとを
当たり前のように信じていた
初めて
つながらなかった電話
2人の距離
ただメールだけ
ただ年に1度の電話だけ
薄いつながり
丘を巻く坂道
2人眺めた夜景の美しさ
夢、幻だったのかもしれない
孤独の隙間に
入り込んだ幻
鰯雲の空を見上げた日から
夢を見ているのかもしれない
規則正しく
並ぶメールの文字と間隔
味気なく短いメール
時が経てば
あとかたなく消えていく
鰯雲に似ている
ふと、思った
雪混じりの雨の道
歩きながら
応答のない電話
握りしめた
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蒼司side 】
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茉莉side】
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「芹沢香生子、明城大学教育学部卒。秘書検定2級、英検準2級、珠算3級、パソコン検定3級……」
会長代行は私の履歴書を読み上げ「確かに平凡だ。目を引くものは特にない」履歴書を指ではじき、顔を上げた。
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近々婚約する予定と噂されている。
ーーーー
桜花「将棋はわたくしの生き甲斐ですの。
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きっと受かってみせますわ。
本戦は例え這ってでも
指し通してみせますわ」
桜花「自分に
自信を持ちたいからですわ。
翡翠さんに
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翡翠「私は私にでき得る限り、桜花さんを守ります。譬えこの命に換えても
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守る覚悟はできております」
ーーーー
高校生女流棋士、吉野桜花は
幼なじみの大手製薬会社の御曹司、如月翡翠と
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